基礎教育統計学

外国語教育学の研究

  1. 文献研究
  2. 授業実践研究
    • アクションリサーチ
    • リフレクティブプラクティス
    • Narrative inquiry
  3. 教材開発研究
  4. 実証研究
    • 数量的研究
      • 調査研究
      • 実験研究
    • 質的研究
      • 事例研究
      • ethnography

実験研究論文の構成

  1. 問題・目的
    1. 取り組む問題の位置づけ
    2. 問題化・焦点化
    3. 先行研究のレビュー
  2. 方法
    • 被験者・研究協力者
    • 集団の抽出方法 人数、年齢、性、その他の特性
    • 実験室の環境要因
      • 実験に再現性があることを説明する・・・実験計画、独立変数、被験者の分類、材料、手続きなど
  3. 結果
    1. 分散分析が代表的
    2. 検定法、統計量(t値、F値など)、自由度、有意水準を記述
  4. 考察
  5. 結論

follow upの聴解力向上に及ぼす効果およびfollow up能力と聴解力の関係

玉井先生の論文の要約

  1. 問題提起
    1. リスニングの十分な指導が行われていない
    2. 認知的な聴解訓練はあまり行われていない(音読やテープ聞き取りに偏っている)
  2. リスニング指導の定義
    1. bottom-up
    2. top-down
    3. interactive 両者を組み合わせたやり方
  3. リスニング指導における注意点
    1. 学習者は、知識はあるが、十分に使いこなせていない。内在化できていない。
    2. 背景知識(スキーマ)の不足
  4. 仮説の設定
    1. フォローアップ指導は、リスニング力を向上させる。
    2. フォローアップ指導は、ディクテーションよりも効果的である。
    3. フォローアップ能力と、リスニング力には相関がある。
  5. 実験方法
    1. 9月と12月で同じ*1試験を受けさせ、成績比較
    2. 統制群 ディクテーション+答え合わせ
    3. 実験群 シャドーイング練習→録音→確認作業
  6. 実験結果
    1. 統制群と実験群に有意差なし。
    2. 統制群には、3ヶ月の間に有意差なし。
    3. 実験群には、3ヶ月の間に有意差が見られた。
    4. フォローアップテストの採点者同士の相関も認められた。しかし、SLEPテストとフォローアップの点数との間の相関は低かった。
  7. 考察
    1. ディクテーションの効果が現れるのには、より長期的な指導が必要ではないか。
    2. フォローアップには、短期間でも効果が認められる。
    3. フォローアップが学習者の聴解技術となったことで、聴解能力が向上した。
    4. フォローアップは、聴解技術と聴解能力の双方に効果があった。

これだけは知っておきたい実証研究用語集

  • 独立変数と従属変数
    • 独立変数independent variable 何らかの効果によってデータを変化させる原因となるもの
    • 従属変数dependent variable 効果・影響によってデータの変化を反映する対象となるもの
  • 被験者要因 実験条件を異なる被験者に割り当てる場合の要因
  • 被験者要因 同一の被験者をその要因のすべての水準に割り当てる場合
  • 信頼性
    1. 再検査法
    2. 評価者間の一致度
    3. 平行検査法 個々の問題は異なるが、内容や量、困難度の等しい2つの検査を実施し、両得点間の相関係数を求める。
    4. 折半法 1つのテストに含まれる問題を半分に分けることによって2つの平行検査を同時に行ったものと考え、その相関係数から信頼性の程度を推定する。
  • 妥当性 測定しようとしているものと、実際に測定しているものとの一致度
    1. 内容的妥当性 測定についての専門家による判断の一致度
    2. 基準関係妥当性 【例】英検とTOEFLの関係
    3. 構成概念妥当性
  • 分散分析
  • 相関係数 -1≦r≦1
    • 正の相関係数 英語が伸びれば、国語も伸びる
    • 負の相関係数 数学を勉強したら、英語の成績が悪くなった
    • ピアソンの相関係数が一般的

課題1

  1. Pretestの課題を用いて、指導法Aと指導法Bが等質なグループかどうかをt検定(対応のない)を使って調べる。dfは27。
  2. 指導法ABそれぞれの効果について、対応のあるt検定で調べる。有意差基準は5%。dfはそれぞれ14。
  3. 論文に載せるような形式で書くこと。

課題2

  1. 自分がやってみたい研究の実験計画を考える。
    • 問題目的
    • 方法
      • 被験者
      • 操作の方法
    • 結果を導くための統計方法

*1:3ヶ月たっているので生徒は試験内容を覚えていない、とする。