関係形容詞

関係代名詞whoseと関係形容詞whichの違い

I like Tom, ( ) father is very rich.
「トムが好き、その人の父は金持ち」

の解答はwhoseになります。

She speaks French, ( ) language I don’t understand.
「彼女はフランス語を話すが、その言語を私はわからない」

の解答はwhichになります。

「whose + 名詞」と「which + 名詞」の違いは何でしょうか。
whoseが指している部分(いわゆる先行詞)とwhoseの後ろにつく名詞の関係で考えます。

I like Tom, whose father is very rich.
「トムが好き、その人の父は金持ち」

この文だと、whose「その人の」が指すものはTomです。後ろの名詞はfather。この両者の関係はイコールではありません。当たり前ですよね。その人のお父さん、つまりTomのお父さん、と書いてあるんだから、Tomとfatherは別人です。

一方で、「which + 名詞」の場合は、先行詞と後ろの名詞がイコールになります。

She speaks French, which language I don’t understand.
「彼女はフランス語を話すが、その言語を私はわからない」

先行詞はFrench、後ろの名詞はlanguage。フランス語は言語です。イコール関係が成り立ちます。

[先行詞+whose+名詞]のとき ⇒ 先行詞≠名詞
[先行詞+which+名詞]のとき ⇒ 先行詞=名詞

関係形容詞のwhichはtheに近いものがあります。

先ほどのも「フランス語、その言語を…」とtheで読むと「言語」というのはFrenchを指してイコールだとわかりますね。

関係形容詞whichの注意点

必ず、[前置詞 which 名詞] の形で用いる。大学受験参考書や入試問題では前置詞のない [which 名詞] という形が解説/出題されたりするが不自然な英語です。

【不自然な文】
He was brought up in Germany, which fact accounts for his fluency in German.
彼はドイツで育ち、その(=ドイツで育ったという)事実が彼のドイツ語の流ちょうさを説明している。(大学入試問題)
【自然な文】
He was brought up in Germany, which accounts for ...
彼はドイツで育ち、そのことが...を説明している。

  1. 必ず、前にカンマ(,)があり、その前に置かれている文(S + V …)を受ける形で用いる。
  2. which の先行詞はたいてい、前に置かれている文全体である。

関係形容詞whichの使用例

 I may be very late tonight in which case I'll call you.
 (今晩はかなり遅くなるかも知れないけど、その場合は君に電話をするよ)

 3つに区切るとわかりやすくなります:
 I may be very late tonight (今晩はかなり遅くなるかもしれない)
 in which case (その場合(which case)には(in))← which は case を修飾。
 I'll call you. (私は君に電話します)

 * which は I may be very late tonight を指して(先行詞として)います。

 Japan scored another goal, at which point many Korean fans left the stadium.
 (日本がさらに1点を追加し、その時点で多くの韓国人ファンがスタジアムを後にした)

 Japan scored another goal (日本がさらに1つゴールを決めた)
 at which point (その時点で)← which は point を修飾。
 many Korean fans left the stadium. (多くの韓国人ファンがスタジアムを後にした)

 * which は Japan scored another goal を指して(先行詞として)います。

関係形容詞が最もよく用いられるのは、上記 <例その1> の形、つまり in which case という形においてです。「その場合には」という熟語として暗記してしまってもよいでしょう。