基礎教育統計学 最終レポート

The Relationship of Field Dependent / Independent Cognitive Stypes to the Use of Listening Comprehension Strategies by EFL Learners p.75を読んで、Resultをまとめる。

3月11日締め切り

Field Dependent(以降、FD)の特色は、物事を全体的に捉える傾向にあること。実生活ではより社交的であること。Field Independent(以降、FI)の特色は、物事を分析的に、また詳細にまで捉える傾向にあること。このFD、FIという認知様式が、第二外国語としての英語リスニング問題を解く際に、どのような影響を与えているかが、本論文のテーマとなっている。

■ まず153人を対象とした、リスニングテストとFI度を調べるEFT(Embedded Figure Test)の結果の相関係数は3.13と、5パーセントには及ばないものの、かなり相関関係がある、ということができる。

■ 次に、対象となっている153人のうち、リスニング成績の上下層108名を抽出し、一元分散分析を行った結果、次の項目については、FI、FD間に有意差、または有意に近い差が見られた。

1 聞き取りにくい単語は無視した。
16 聞いている内容全体の意味を把握する
17 文法構造に注意する
23 心を落ち着けて集中して聞く

項目1と17については、EMTと弱い相反関係を持つことから、FDの傾向を持つ対象者がよりこの項目を用いていることがわかる。逆に項目16と23は、EMTと弱い相関関係を持つことから、FIの傾向を持つ対象者が用いていることがわかる。

■ さらに、成績下位者69名を対象に分散分析を行った結果、いくつかの項目で有意に近い差は見られたものの、FIとFD間に有意さは見られなかった。逆に、予想と異なる結果が見られた。たとえば、項目16は文法に関するものであるため、FIとの相関関係が強いと予想されていたが、実際には、逆の結果が見られた。

■ 82人を対象とした、リスニング問題中の全体に関する質問とEMTの間には、相関関係が見られた。この結果からはFIの傾向を持つ生徒は部分的内容を問うリスニングも含めて、FDの生徒を上回ることがわかった。全体を問う問題に対する成績層ごとのT検定では有意差が見られた。EFTと項目16、23には、弱い相関が見られた。このことから、これらの項目はFDよりもFIの傾向をもつ対象者により用いられていることがわかる。