単語をいかにして効果的におぼえるか

  • 英語の文章を理解するには、文法・構文が一通り頭に入ってきたら、単語や熟語を覚えるのが、早道です。辞書を引かずにすむためには、単語を覚えるしかないでしょう。
  1. さて、単語を覚える方法には、これまで、多くの方法が試されてきました。
    1. 単語とその日本語の意味を1対1に対応させて覚えていく方法
    2. 単語を一つのセンテンスの中で覚えていく方法
    3. 単語を一つの文章の中で覚えていく方法
  2. その中で1は効率がよいようで、実は覚えるのも早いかわりに忘れるのも早いやり方だと考えられています。文の中で覚えた単語が出てきても、気づかないことが多いこともあります。文脈の中で単語は意味が決まるからです。3年生の受験間際ならともかく、まだ単語を十分に知っていない皆さんにはお勧めできる方法ではありません。
  • 2の方法は単語を細切れで覚えるのではなく、一つのセンテンスの中で覚えるやりかたです。一文の中に覚えるべき単語が一つ二つ詰まっており、おまけに熟語まで入っているから、覚えやすいわけです。
  • 3のやり方は、ジグソーパズルのように、単語というパーツを文章の中にちりばめてあり、それぞれのパーツの文章の中での働きがよくわかり、結局は単語を文脈の中で理解することができ、文章と共に単語の記憶も長持ちするのではないでしょうか。
  • 昨今では、CDが普及し、安価で提供されています。さらに、記憶を確かにするためには、CDで何度も文章を聞き、口真似して言って見る方法をお勧めします。
  • 語学の天才ハインリッヒ・シュリーマンの語学学習法を紹介しましょう。トロイ遺跡のドイツ人発掘者、ハインリッヒ・シュリーマンは語学の天才でありました。1842年に英語、フランス語、1843年にオランダ語スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、1844年にロシア語、1858年にラテン語アラビア語と自力の学習だけで覚えてきました。その学習方法は、多くの文章を音読して覚え、毎日一時間を語学の勉強時間にあて、教会の礼拝に通って、説教を聞きながら、その一語一語を口まねして覚える…という暗記方式でした。シュリーマンの語学学習とは、
    1. 大きな声で音読すること。
    2. 興味ある対象について作文を書き、先生に添削指導してもらうこと。
    3. 前の日に直した文章を暗記して、次回の授業で暗唱すること。
  1. 学習の仕方には二通りあるそうです。ひとつは、理解を中心として学習法で、これは左脳を使った学習法です。もう一つは、暗記を中心とした右脳を使った学習法です。先ほどのシュリーマンの学習法がそれにあたり、古今東西、語学の達人と言われた人々は、この方法で語学を身につけたといわれています。
  • 人間の頭の中には記憶を良くする部分があり、そして記憶を良くする方法があります。それを知ってその方法を実践すると、頭の使い方が違ってきます。頭が生き生きし始め、鈍い頭の働きが速やかに回転する頭の働きに変わります。すると学習不振であった子がたちまち記憶の良い子に変わります。その記憶をよくする部分とはどこでしょう?
  • 人間の脳は上下二つに分かれていて、上の部分は表層意識(健在意識)、下の部分は深層意識(潜在意識)が働く部分です。この二つの意識は全く違う働きをしていて、人が通常使っているのは表面の表層意識です。しかし、あまり活用していない深い部分の深層意識こそ記憶の良い部分なのです。人間の脳はまた、左右二つに分かれていて、表層意識は左脳に、深層意識は右脳に現れる仕組みになっています。普通、私たちは暗記より理解が大切と考えていますが、理解は表層の脳で行われ、暗記は音読、暗唱を繰り返すと、表層の脳から深層の脳へ記憶の回路を開き、記憶の質が変わってしまいます。
  • 浅い暗記は表層の脳で行われ、やがて消えていく頼りないものですが、音読、暗唱を繰り返すと、表層の脳から深層の脳へ記憶の回路を開き、記憶の質が変わってしまいます。深層の記憶回路は右脳と結びついていて、その回路を開くと右脳の記憶回路とつながり、質の良い記憶回路を開いてしまうのです。左脳の記憶回路は低速の記憶ですが、右脳のは高速記憶でまるで質が違います。左脳の記憶は質の悪い記憶ですぐ忘れてしまう記憶です。右脳の記憶は一度見聞きすると完全に覚えて忘れないという驚くほどの記憶です。二つの記憶の能力を比較すると、一対百万といわれるくらい右脳の記憶がすぐれています。
  • 七田式英語上達法の原則は7つあるが、そのうちの4つをここに紹介する。
    1. 決意の原則… 語学をマスターするには、まず何よりも一年間で英語をマスターするぞ、という強い決意が必要。
    2. リスニングの原則…言語は目で学ぶものではなく、耳で学ぶものです。語学が話せるようになる、というのは聴覚の問題であることを理解しましょう。まず 聞き取れないとしゃべれない。
    3. イメージの原則…右脳はイメージ脳といわれています。口まねしている英語の内容をイメージしながら、その英文がイメージ脳に記憶として残されるのです。
    4. 音読・暗唱の原則…1日に20分から30分音読し、暗唱することに努めると、記憶のの能力が変わってきます。3ヶ月たつと突然今までの記憶の回路とは異なる別の記憶回路が開けます。
  • 具体的にどのように勉強すればいいのでしょうか。一日にあまり欲張らず、同じことを繰り返すことが大切です。
    1. 1日目 各レッスンのCDを5回〜10回聞く  
    2. 2日目 そのレッスンのCDを聞きながら、テキストを見て5回〜10回口真似をする(リピーテイング)。その際、次ページの単語の整理ページにも目を通す
    3. 3日目 もう一度CDを聞きながら、何も見ずに、そのまま5回〜10回口真似する。(シャドーイング